日本企業がエンジニア採用に失敗する当然の理由 ITエンジニアの適切な年収をわかってない

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(写真: jessie/PIXTA)
企業の採用担当者がスカウト型の転職サービスなどを通じて、候補者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」という手法が広がってきた。本当に欲しい人材を採用できる一方で、うまく使いこなせていないケースもある。『この一冊でスカウト採用の全てがわかる!ダイレクトリクルーティングの教科書』より一部抜粋、再構成してお届けします。

ITエンジニア採用の落とし穴

ITエンジニアをダイレクトリクルーティングで採用する際のポイントについてご紹介していきます。まず、考えるべきは採用要件です。非常に複雑化するエンジニア採用のなか「どんな人材を採用するべきか」という要件を考える上で、現場の声は欠かせません。ときには「C♯を用いた開発3年以上、プロジェクトマネジメントの経験も必須、28〜35歳、Unityも使ったことがあるとよい」など、現場からさまざまな採用要件を伝えられていると思います。

ただ、現場から上がってきたこれらの要件を聞いた際、どれだけ仕事内容を理解し、適正年収をイメージできているでしょうか。実は、エンジニア採用がうまくいっていない会社の多くでは、現場でニーズがあるエンジニアの採用要件が採用マーケットにフィットしていないケースが極めて多いのです。

よくあるのは、採用担当者がエンジニアの知識を持っていないがゆえに、現場のエンジニアから欲しいと言われた採用要件をそのまま受け入れて、募集をかけているケースです。

ただ、ここで落とし穴となるのが、現場から上がってきた声は、スペックが高すぎるケースが多いということ。現場のエンジニアからすれば、一緒に働くメンバーは全知全能のほうがありがたいと思うのは当たり前です。でも、ないものねだりをしては、いつまでたっても欲しい人材は採用できません。

だからこそ、採用担当者は現場から聞いた意見を、採用マーケットにフィットする要件になるように調整する作業が必要になります。最近では、社内のエンジニアが採用に直接関わることで、要件を緩める必要性を認識し、市場に適した採用要件に調整してくれる場合もあります。

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