日本企業がエンジニア採用に失敗する当然の理由 ITエンジニアの適切な年収をわかってない
反対に面談を受けたエンジニアが面談相手に「興味が持てない」「技術的な会話が成立しない」と感じた場合は、次の選考にも進んでくれません。進んでもらえる場合でも日程調整に時間がかかったり、当日に辞退されてしまったりと、無駄な工数が発生します。
インパクターは会社で大きな権限を持っているケースが多いため、当初想定したポジションにはフィットしないものの、他のポジションでは活躍してもらえそうと感じた際に、そちらに差配できる点も大きなメリットの1つです。
エンジニア採用の秘訣は、年収を社内の基準に合わせないこと
日本企業のエンジニア採用において、大きなネックになるのは年収です。
大きな企業であればあるほどに、社員の年収レンジは年齢や在籍年数によって決まっており、中途でエンジニアを採用する場合も、社内基準に合わせて年収のオファーを出す場合があります。
でも、そうした画一的な給与体系に固執してしまうと、仮にブランド力のある会社でも、エンジニア採用には難航してしまうでしょう。従来は入社年次による差別化が一般的でしたが、いまは「何ができるか」によって給与が変わるのが当たり前になりつつあります。年次がいかに下であっても、卓越したスキルを持つ人材には、高い給与を払うのが当然という時代へと移行しつつあるのです。
実際に弊社が目の当たりにした事例として、国内の某大手日系メーカーのA社が26歳のITエンジニアを年収600万円で採用しようとしたら、別のIT通信大手B社は1200万円を提示。さらに外資系IT会社C社がその候補者に1800万円出すと提示したため、最終的にはC社がその人材を獲得しました。
このように、年収によって人材獲得の可否が大きく変わる事態が起こっている以上、自社の給与体系を守り続けていては、いつまでたっても優秀な人材を獲得できません。
新卒一括採用の文化が根強い大企業では、「人は一度入社したら、すぐに辞めないのが当たり前。在籍期間が長くなるほどに給与が上がるのだから、入社時は多少年収が低くてもいいのではないか」との感覚が未だに抜けないかもしれません。
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