スマートフォン市場の世界的な低迷が、中国大手の小米(シャオミ)の業績を圧迫している。同社が3月24日に発表した2022年の通期決算によれば、同年の売上高は2800億4400万元(約5兆3258億円)と前年比14.7%減少。投資損益などの一時損益を控除した調整後純利益は85億1800万元(約1620億円)と、同61.4%の大幅減益となった。
「わが社にとって、2022年は困難に満ちた1年だった」。シャオミ総裁(社長に相当)の盧偉冰氏は決算説明会でそう振り返り、業績悪化の要因として世界的な景気減速、インフレの加速、為替レートの大幅な変動、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルス流行などの影響を挙げた。
それだけではない。2022年には半導体の供給が不足から一転して過剰になり、スマホメーカーは部品や完成品の在庫が急膨張する事態にも見舞われた。もちろん、シャオミもその例外ではなかった。
市場調査会社のカナリスのデータによれば、2022年の全世界のスマホ出荷台数は前年比12%減少して12億台を割り込み、2014年以降の最低水準に落ち込んだ。そのうち(シャオミのホームグラウンドである)中国市場向けの出荷台数は2億8700万台と、同14%減少した。
世界シェア3位の座は維持
同じくカナリスのデータによれば、2022年のスマホの世界市場でシャオミは約13%のシェアを獲得。首位のサムスン電子の約22%、第2位のアップルの約19%に次ぐ第3位の座を(2021年に続いて)維持した。
懸案である在庫の圧縮について、シャオミCFO(最高財務責任者)の林世偉氏は「順調に進んでいる」と自信を示した。決算報告書によれば、2022年12月末時点の在庫は約504億3800万元(約9592億円)と、1年前よりも3.74%減少している。
今後のスマホ市場の見通しについて、総裁の盧氏は短期的には慎重な見方をとりつつも、中期的な需要回復に期待感をにじませた。
「個人消費の回復にはなお一定の時間がかかり、2023年前半のスマホ市場は前年割れが続くだろう。しかし年後半には、大幅な好転が見られるよう望んでいる」
(財新記者:翟少輝、傅文迪)
※原文の配信は3月25日
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