中国市場向けのスマートフォンの出荷台数が、2022年は10年ぶりに3億台を下回ったことが、複数の市場調査会社のデータから明らかになった。例年の10~12月期はスマホ販売の書き入れ時だが、2022年は新型コロナウイルスの感染拡大で年末商戦が不発に終わり、出荷低迷に拍車をかけた格好だ。
市場調査会社IDCのデータによれば、2022年10~12月期の中国市場向けのスマホ出荷台数は7292万台。前年同期比12.6%減少し、四半期ベースで4期連続の2桁減を記録した。その結果、2022年の通年の出荷台数は2億8600万台にとどまり、前年比13.2%減少。過去10年間で初めて3億台を割り込んだ。
なお、別の市場調査会社カナリスのデータでは、2022年10~12月期の中国市場向け出荷台数は前年同期比14%減の7440万台。通年の出荷台数は同14%減の2億8700万台だった。
vivo、OPPO、シャオミは大幅減
市場全体のパイが縮小するなか、メーカー別の出荷台数は明暗が分かれた。2022年に逆風をついて躍進したのが(2020年に華為技術[ファーウェイ]から分離独立した)栄耀(Honor)だ。カナリスのデータによれば、同社の2022年の出荷台数は5220万台と前年比30%増加。市場シェアは18%に拡大し、首位のvivo(ビボ)と僅差の第2位に浮上した。
第3位につけたのは、前年比4%増の5130万台を出荷したアップルだった。高価格のハイエンド機種を好む(富裕層の)消費者の需要は、短期的な景気変動には左右されにくいことがプラスに働いたようだ。
一方、栄耀とアップルを除く大手メーカーは出荷台数を大きく落とした。vivoは市場シェア首位の座こそかろうじて守ったが、2022年の出荷台数は5220万台と前年比27%減少した。
2021年に第2位だったOPPO(オッポ)は、2022年の出荷台数が前年比27%減の5040万台に縮小し、第4位に後退。同じく第3位だった小米(シャオミ)は同24%減の3860万台にとどまり、第5位に終わった。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は1月30日
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