働き盛りでがんになる――。あなたは想像したことがあるだろうか。国立がん研究センターの統計によると、2016年にがんと診断された約100万人中、20歳から64歳の就労世代は約26万人。全体の約3割だ。
だが、がんを治療しながら、あるいは治療終了後も不調を抱えながら働く人の声を聞く機会は少ない。仕事や生活上でどんな悩みがあり、どう対処しているのか。自分や家族、友人がなったときにもきっと役に立つはずだ。
「死なないですか、私?」
子宮体がんでステージ4――検査結果を聞いたヒダノマナミさん(仮名・当時29歳)は、「えっ、マジか!?」と思った。
子宮体がんは子宮頸(けい)がんと症状が似ているが、前者は悪性腫瘍が子宮の内部に、後者は子宮の出口にできる。不正出血(生理以外での出血)が多い場合は子宮体がんが疑われやすい。いずれも60代以上に多いがん種で、当時のヒダノさんはその半分にも満たない年齢だった。約5年前の話だ。
実はその告知を受ける前年、やはり不正出血で彼女は近所のクリニックを受診。検査で子宮にポリープ(腫瘍)があるが大丈夫、と言われていた。ヒダノさんは複雑な心境を明かす。
「今思えば、あのときに大きな病院で再検査を受けるべきでした。でも、当時はがんの知識もなく、自分が発症するなんて想像したこともなかった」
翌年、大量出血と激しい嘔吐、貧血のせいで目がチカチカしたために、前年とは別のクリニックを受診。すぐに大きな病院で再検査を受けるように言われ、大学病院に行くと即入院。不正出血を理由にがん検査を受けた。
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