6日開幕、ゴルフの祭典「マスターズ」勝つのは誰だ PGAツアーが断絶する「LIVゴルフ」の選手も参戦

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2つめの注目ポイントは、オーガスタ・ナショナルのコースを選手がどう攻略するかである。とくに今年は18あるホールのうち、11番、12番、13番の、いわゆる“アーメンコーナー”が見どころである。

今回のオーガスタは昨年より35ヤード伸びて、全長が7545ヤードとなった。その伸びた35ヤードは、アーメンコーナーの13番(545ヤード・パー5)である。

アーメンコーナーという名称は、1958年に『Sports Illustrated』の記者だったハーバート・ウォーレン・ウィンドが、ジャズの曲のタイトルから命名した。11番のパー4、12番のパー3、13番のパー5の3ホールはスコアが大きく動くことが多く、そこで優勝争いの展開が変わる。

というのも、この3つのホールは池やクリーク(小さな川)が絡むうえ、グリーン周りでは風が複雑に吹く(風向きや風の強さでボールの飛距離や方向が大きく変わる)。風の読みを間違えて池やクリークにつかまれば、一気に優勝戦線から脱落する。

1つのミスで優勝争いから脱落する選手、反対にバーディを決めて優勝に近づく選手。悲喜こもごものドラマが繰り広げられてきた、オーガスタの難しさを象徴する、まさに“神に祈りたい”気分に選手をさせてきたホールなのだ。

それがさらに今回、左側にクリークが長く続く13番が35ヤード伸びたことで、より一層緊張を強いられる場面となった。選手がどう攻略するか注目である。

LIVゴルフ参加選手も参戦

3つめの注目ポイントは、新しいツアーであるLIV(リブ)ゴルフの参加選手に門戸を開いたことである。

主に北米の男子プロゴルフツアーを運営するPGAツアーは、LIVゴルフに参加した選手のPGAツアーや下部ツアー、チャンピオンズツアーへの出場を禁止するとともに、スポンサー推薦での出場も禁止している。だが、今回、マスターズ委員会はLIV参加選手にも招待状を出した。

歴代優勝者のフィル・ミケルソンやセルヒオ・ガルシア、ダスティン・ジョンソン、パトリック・リード、全米オープンの優勝者(過去5年間)のブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー、全英オープン優勝者(過去5年間)のキャメロン・スミスなど、現在PGAツアーで見られなくなったそうそうたる選手である。

PGAツアーとLIVゴルフが現在断絶しているなかで、マスターズの同じフィールドで選手たちがどんな戦いを繰り広げるのであろうか。

また、マスターズでは毎年、開催週の火曜日に歴代の優勝者だけが参加できる「チャンピオンズディナー」が開催される。メニューは前年の優勝者が決めるきまりで、これも話題となっている。

昨年の大会では、松山英樹の準備した宮崎牛のステーキが絶賛された。今年はシェフラーがテキサス大学の出身ということで、ご当地のリブアイ(牛肉)を準備することが、すでに発表されている。当然、LIVゴルフのマスターズチャンピオンのミケルソン、ガルシアなどが出席するであろう。このマスターズがきっかけで、少しでもゴルフ界が良い方向に進むことを期待したい。

マスターズはゴルフ界を牽引してきたことは間違いない。最多優勝(6回)のジャック・ニクラウス、最多連続出場(50回)のアーノルド・パーマー、最年少優勝(21歳3カ月14日・1997年)のタイガー・ウッズなど、そうそうたる選手が歴史に名を刻んでいる。

時差の関係で、日本では深夜から明朝にかけて見ることになるマスターズ。今年はどんなドラマが待ち受けているのか、眠れない夜が続きそうだ。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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