日テレ「スッキリ」10年出演した私に見えていた事 ワイドショーの問題と番組が直面した3つの死闘
スッキリは、いわゆるワイドショーや情報番組、情報バラエティと呼ばれるものだが、扱っている内容の振れ幅は大きい。まじめな政治・経済・国際ネタを扱ったかと思えば、スポーツ、社会風俗、芸能の話題も扱い、さらに海外アーティストが生ライブを披露したりアイドルグループのオーディションなども開催したりした。
パンダが転んだ話題から、政策の議論まで、さまざまな話題が繰り広げられた。司会の加藤浩次さんはお笑い芸人としての特性を活かし、笑いをベースとしながらも、硬い話題のときには、ズバズバと識者に質問を浴びせながら「難しい言葉でしか説明できない」専門家話法を崩しにかかった。
私は2013年にひょんなきっかけから同番組に呼ばれ、そこからコメンテーターとして10年ほど出演する機会を得た。当初は不定期だったり、その後も隔週の出演だったりと、10年フルの出演ではない。しかしこの番組への出演を通じて、情報番組について考えるにいたった。
ワイドショー事始め
そもそもワイドショーとは明確な定義がない。そのため、源流には諸説ある。1964年からはじまった「木島則夫モーニングショー」とする説。1965年からはじまったテレビ朝日系列の「ただいま正午・アフタヌーンショー」とする説。キャスターが自らの意見を述べる点で特徴的だった1974年開始のNHK「ニュースセンター9時」とする説などだ。
これらはアメリカのNBCで1950年代に放送されたニュース番組「Today」を参考にしていた。当然ながら、当時ネットはない。紙メディアと違って電波メディアの特徴は、速報性を利点とする。さらにラジオと違って「絵」がある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら