ストレッチやヨガでも、股関節周囲の筋肉や腱、靭帯などを伸ばしすぎると炎症が起こる場合もあります。とくに“開脚ストレッチ”には注意が必要です。
本来、私たちの股関節は自力で広げた場合、左右にそれぞれ45度程度、計90度しか開かない構造になっています。つまり、180度の開脚には無理があるのです。
私たちの日常動作では歩行はもとより、階段昇降やイスからの立ち上がり動作にしても前後への動きが多く、左右の動きというのはごくわずかです。ですから、脚が左右に大きく開かなくても支障はありません。基本的にストレッチは疲労を和らげる効果があるトレーニングですが、やりすぎは禁物です。
ヨガやバレエ、体操、フィギュアスケートなどでは開脚をすることがパフォーマンスアップにつながるので、ダンサーや選手は“無理をして開脚する努力をしている”のです。ですから、彼ら彼女らのなかには股関節痛に悩まされている人も少なくありません。
股関節痛の原因は体重と姿勢
スポーツ以外では、長時間の立ち仕事や歩行なども股関節への負担となります。
立っているだけでも股関節には負担がかかりますから、接客業などの立ち仕事や、営業などで移動の多い仕事の人は、可能な限りイスに座ったり、横になったりして股関節を休める時間を設けましょう。
立ったり歩いたりする時間が短くても、体重が重ければそれだけ股関節に負担がかかります。一般的に“歩行時の着地では、体重の3倍の負荷が股関節にかかる”といわれています。つまり体重が重ければ重いほど、股関節には負担がかかります。
とくに激しい運動はしていないのに股関節に疲れが残りやすい人で、BMIが25以上なら、体脂肪を減らすダイエットを検討する必要があります。(ダイエット法については筆者コラム:リバウンド無し食事を減らさない「3K食材」減量法をご参照ください)
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI25以上で肥満と判定される
股関節に痛みがある場合、もう1つ注意したいのは、立っているときの体の使い方です。
左右に均等に体重を乗せている人のほうが少数で、ほとんどの人はどちらかの足に偏って体重をかけています。立ち姿勢の延長が歩行ですから、立っていても歩いていても、体重を多くかけている側の股関節に疲労が蓄積していきます。
信号待ちや電車内などでは、立っているときの自分の立ち方を意識し、できるだけ左右均等に体重を乗せるか、左右交互に体重を乗せるようにしましょう。
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