「失敗するビジネス」に共通する残念な3大典型例 「需要と供給」のバランスを無視して苦しむ

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しかし、「社会課題解決市場」を生み出している「メガトレンド」は違います。社会課題によって起こる、社会の構造変化そのものからトレンドが発生しているので、長期にわたって急拡大を続けるだけでなく、これまでの世界の大前提そのものを変えてしまうほどのトレンドです。

あらゆる分野で「社会課題解決市場」がある

例えば、このような「メガトレンド」が次々に「社会課題解決市場」を生み出し続けています。

具体例①急激な人口増加

世界人口は、紀元前から2000年以上もの年月をかけて1927年にようやく20億人に到達。しかし、それ以降の増加スピードは60倍に急加速し、わずか100年で人口80億人に到達しています。2050年には97億人に到達すると予測されており、急激に人口が増え続けています。

その結果、深刻な食料危機、タンパク質不足、水やエネルギーなどのあらゆる資源枯渇、大量廃棄、環境破壊、大気汚染、気候変動、感染症リスクの増大、教育の不足、社会保障制度、移民、格差、差別、不平等、紛争……など、さまざまな社会課題が起こるとされています。

この結果、「フードテック」という、新たな社会課題解決市場が生まれました。2020年には24兆円だった市場規模が、2050年には279兆円規模にまで膨らむと予想されています。(農林水産省/三菱総合研究所「令和2年度フードテックの振興に係る調査委託事業実施報告書」より)

具体例②高まり続ける「高齢化」

『SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

世界の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)の平均は、9.2%(2020年)→17.8%(2060年)に上昇すると国連は予測。人類がいまだかつて経験したことのない高齢化社会に突入します。そんな中でも日本の高齢化率は、その他の高齢化先進国の中でも群を抜いており、世界最高の29.1%(2022年)。2040年には35.3%に達すると予測されています。

労働力不足、労働環境や仕組みの変革、社会保障費の増加、介護負担、少子化の加速、住宅需要の変化、社会的孤立、健康寿命、若年層との情報格差、詐欺犯罪、交通事故の増加、インフラ整備……など、さまざまな社会課題がすでに起こり始めています。

この結果、「エイジテック」という、新たな社会課題解決市場が生まれました。2018年には7000億アメリカドルだった市場規模が、2025年には2.7兆アメリカドルもの規模になると予想されています(Forbes「'Age-Tech':The Next Frontier Market For Technology Disruption」より)。

さて、ここまで紹介した市場はあくまでも存在している市場の一部にすぎません。まだまだ「社会課題解決市場」があらゆる分野であふれています。

では、このようなメガトレンドの発生によって急拡大し続けている「社会課題解決市場」にあなたが挑戦すべき最高のタイミングはいつでしょうか。

それは、まさしく「今」です。

深井 宣光 一般社団法人SDGs支援機構事務局長

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ふかい のぶみつ / Nobumitsu Fukai

SDGs/社会課題解決専門ビジネスメディア「SDGsジャーナル」を運営。

SDGsを専門知識ゼロでもわかるやさしい言葉で伝え続け、わかりやすいだけでなく行動を喚起する解説者として注目を集めている。経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業のサポーターや、各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の企画・監修のほか、社会課題解決とビジネスに関する講演など多岐にわたって活動。著書に『小学生からのSDGs』(KADOKAWA)がある。

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