多くの上場企業が行っているさまざまな社会貢献活動。とくに積極的な企業はどこか。『CSR企業総覧(ESG編)』2023年版に掲載している社会貢献活動支出額のデータを使い、支出額と経常利益に対する支出比率でランキングを作成した。
金額と率の両面で社会貢献に取り組む企業(上位100社)を見ていく。なお、さらに詳細の上位400社までのランキングは『CSR企業白書』2023年版に掲載する予定なのでこちらもご覧いただきたい。
トップは三菱UFJフィナンシャル・グループ
まず、2021年度の社会貢献支出額からご紹介しよう。トップは92.7億円の三菱UFJフィナンシャル・グループだ。前年6位から躍進し、金融機関初の首位となった。
金額は2019年度52.3 億円、2020年度91.6億円と大幅に増加し、2021年度も高い水準を保つ。なお数字は同社単体と主要子会社を合わせた連結ベースとなっている。
取り組みは学生向け「金融経済教育」や日本ユネスコ協会連盟と協働するユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトへの寄付、教育格差問題に取り組む認定NPO法人への寄付など幅広い。学生向け「金融経済教育」では、小学生向けの「お金の力‐The VALUE‐」、中学・高校生向けの「教室で体験するインターンシップ『株の力』」、大学生向けの「株の力for大学生」と、各世代に合わせた教育プログラムを提供し、本業を生かした活動を実施している。
さらに、学生の国際交流について、米日カウンシル–ジャパンと協働で日米の学生の交流活動の支援を行うなど、次世代への貢献も多い。
新型コロナ関連では、全日本病院協会への5億円の寄付をはじめ、あしなが育英会および日本国際教育支援協会へ計10億円を支援。公演に影響が出ているクラシック音楽への支援として、日本オーケストラ連盟には3億円を寄付するなど金銭的援助を幅広く行った。
本業ではなかなかアクセスできない社会課題に対し、寄付やボランティアによる社会貢献活動を行うため、業務純益の約1%を活用して社会還元する枠組みを整備。本業で稼げば稼ぐほど、社会貢献活動に多く貢献できる仕組みとなっている。
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