1位は前年に続きアース製薬で10.78%。3年平均の経常利益91.2億円に対して9.8億円を支出している。全国の幼稚園などで「洗口液の習慣化」を促す「モンダミンキッズ体操」を実施し、口腔内の衛生環境について啓発を行う。また、JPFやワールド・ビジョン・ジャパン、国際開発救援財団(FIDR)などのNGO・NPOに寄付し、国内だけでなくグローバルでの支援にも取り組んでいる。
2位はエディオンで8.47%。3年平均の経常利益209.2億円に対して17.7億円を支出する。次世代教育支援として、プログラミング教育の機会を提供する。大学や各種企業との連携によるプログラミング教材の開発や親子でロボットプログラミングを楽しめるイベントを実施し、地域に密着したプログラミング教育などを推進する。
3位はワコールホールディングスで6.46%。3年平均の経常利益74.7億円(IFRSのため税引き前利益)に対して48.2億円を支出する。乳房に関して多面的に研究する「乳房文化研究会」の運営や、京都精華大学や京都女子大学などと連携した新技術の研究開発や新事業の創出に向けた産学連携を積極的に進めている。
以下、4位サイオス5.6%、5位サンメッセ5.51%、6位日本マクドナルドホールディングス4.1%、7位KIMOTO3.96%、8位ニッピ3.95%と続く。
震災復興支援は年々減少傾向
では、最後に毎年ご紹介している「企業の東日本大震災復興支援の状況」を見ていこう。2022年6月末時点で復興支援を「行っている」は35.3%(433社)、「行っていない」が62.2%(762社)だった。
2020年6月時点(2020年調査)は41.8%(479社)、2021年6月末時点は(2021年調査)38.4%(453社)だ。何らかの支援活動を行う企業は年々減少傾向にあるが、復興支援の継続は震災を風化させない役割も担っている。今後も可能な範囲で継続してもらいたい。
今回ご紹介した例は『CSR企業総覧(ESG編)』に掲載しているごく一部でほかにも多くの企業が幅広い社会貢献活動を行っている。
今回のランキングを見ていると、本業を通じた貢献かつ次世代育成に関する貢献が多い印象を受ける。サステナビリティと利益の両立が重要とされるなか、一見「社会貢献はムダ」と考えてしまうかもしれない。
しかし、次世代育成など、将来の担い手への社会貢献活動は、長期的な目線で巡り巡って自社の利益につながるとも考えられる。「三方よし」の1つ、「世間よし」という言葉のとおり、企業が事業活動で得た利益の一部を配分していくことは社会的な責任としての役割もありそうだ。こうした取り組みは今後も大切にしていくべきだろう。
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