「失敗するビジネス」に共通する残念な3大典型例 「需要と供給」のバランスを無視して苦しむ
アイデア追求思考の「アイデア追求型」は、
・凄い技術
・流行りのトレンド
・上手くいくノウハウ
・これから来るトレンド
・まだ誰も扱っていない商品
・イケてるビジネスモデル
・画期的なサービス
といったあらゆる情報、まだ誰も知らない(と思い込んでいる)情報を収集して、ビジネスがうまくいくアイデアばかりを追い求めてしまいます。
なぜなら、成功者が成功しているのは、きっと自分たちがまだ知らないアイデアのおかげであり、新しいアイデアや誰もやっていないアイデアさえあればうまくいくと信じ込んでしまっているからです。
スタートアップと「需要」「新規性」
このように、アイデア追求型の起点は、いつも「アイデア」です。
そして、社会のニーズや欲求よりも、「このビジネスモデルなら!」「この仕組みなら!」と思いついたアイデアや、発見した(と思い込んでいる)アイデアがうまくいくことを証明したいという感情が強い傾向にあります。その結果、いくらビジネスに情熱や意欲があっても、アイデア追求型は需要と供給のバランスを冷静に見られなくなっていたり、無視したりしてしまいます。そして、そのままアイデア優先でビジネスを始めてしまうので、苦境に立たされています。
アメリカの調査・分析会社CB Insightsやその他複数の調査でも「スタートアップの失敗理由」の第1位は「市場に需要がなかった」となっており、いかに多くのビジネスが需要をおろそかにした結果、失敗に終わっているかがわかります。
このように、需要と供給のバランスを無視して苦しむ、典型的な市場参入パターンが次の3つです。
①「需要あり、新規性なし」
まずは、①「需要あり、新規性なし」です。これは例えば、あなたがこれからコンビニビジネスに参入するようなパターン。大手競合がいる市場に分け入り、店舗数を増やしてビジネスを拡大できるほどの需要は市場にありそうでしょうか。
街の至る所にコンビニがあふれ、コンビニの向かいにはまた別のコンビニ。ちょっと歩いたら、また別のコンビニ。買い物には便利だけれど、数が多すぎる……そんなことを思ったことがある方も多いでしょう。日本国内のコンビニ数はすでに飽和状態にあり、2017年に5万5千店舗に達して以降、2023年1月時点まで店舗数がほぼ増えることなく停滞しています。
そして、それだけではありません。年間売上高は、2015年に5万3千店舗に達した際に10兆円の大台に到達したものの、以降7年の長期にわたって停滞を続けています。コンビニは、私たちの生活インフラともいえるような需要があるビジネスです。しかし、このように十分に需要が満たされていて、すでに供給過剰ともいえる市場では、競合と奪い合いの過当競争をするしかありません。
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