太宰治、予想以上に多い「盗作疑惑」の興味深い中身 「生れて、すみません」の言葉も元ネタがある

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斜陽館
青森県五所川原市にある太宰治記念館「斜陽館」(写真:KAZE/PIXTA)
学校の授業では教えてもらえない名著の面白さに迫る連載『明日の仕事に役立つ 教養としての「名著」』(毎週木曜日配信)の第25回は、文豪・太宰治の盗作疑惑に迫ります。
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「生れて、すみません」にも盗作疑惑

太宰治の名作小説を読んでいると、想像以上に「盗作疑惑」の多いことに驚く。

例えば、有名なフレーズ「生れて、すみません」。太宰の『二十世紀旗手』の副題として掲載されたこの文章は、小説を読んだことがない人ですら、なんとなく知っている方も多いのではないか。

『二十世紀旗手』そのものはかなり難解で支離滅裂な文章も多い小説なので、たくさんの人に読まれる作品ではないかもしれないが、このあまりにもインパクトの大きい副題――「生れて、すみません」によってその寿命を延ばしたともいえる。

だがこのフレーズ。実は盗作疑惑が存在するのである。前回紹介した、太宰の親友・山岸外史は、太宰が亡くなってから彼のことを書いた評伝『人間太宰治』(筑摩書房)にこのときの騒動について詳しく描かれている。

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