ヤマハ「音楽で街づくり」取り組んだ意外なその後 事業にはならないと言われてきたが…

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ヤマハが各地で音楽を利用したまちづくりに取り組んでいる。例えば、柏市の「かしわファシリテーター養成講座」からは67人のファシリテーターが誕生し、そのうち34人がDrum Circle-Beat@Kashiwaに参加。地域の施設、各種団体でドラムサークルを開いている(写真:ヤマハミュージックジャパン提供)

2014年に第2次安倍改造内閣が打ち出して以来、多くの企業、団体が地方創生に取り組むようになった。ヤマハが音楽を取り入れたまちづくりに取り組んでいると聞くと、そういうことかと思う人もいるかもしれないが、取り組みが始まったのは20年以上前。地道に続けてきた結果がコロナ禍で話題になり、現在は、行政や企業からも問い合わせが増えているという。何が功を奏しているのだろうか。

きっかけは文化予算の縮小

ヤマハでは、音楽によるまちづくり(以下、おとまち)を事業として2009年から手掛けているが、それ以前から音楽と地域を結ぶ取り組みを続けてきた。きっかけはまちづくりではなく、文化予算の縮小だった。

同社では楽器だけでなく、音響機器なども扱っていることから公共のホールを中心にコンサート企画を手掛けてきたが、どこのホールでも竣工当初は潤沢なものの、年々予算が縮小。外からアーティストを呼んでくるだけではやっていけなくなっていた。

そこで空いてしまうホールを安価に活用し、地域に喜んでもらうためにとヤマハが提案したのはホールを拠点にビッグバンドを作るというアイデア。ホールで演奏を楽しむ講座を開催してそこから市民参加型の活動を生み、育てていこうというものである。

その考えからいくつかの地域密着コミュニティ・ビッグバンドが生まれている。歴史があるものとしては1999年に創立されたノーザンシックス・ビッグバンド(西東京市)がある。

これは旧田無市が、多摩北部都市広域行政圏協議会と共催で実施したビッグバンド養成講座の修了生有志が集まってできたもので、コロナ前には年に7~8回の公演を行って、人気も得ていた。現在はヤマハが関わっていないものの、投げ銭方式で四半世紀近く自走しているのは、音楽活動には持続性があるということだろう。

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