中国で苦戦する日本企業にありがちな過ち 「真の課題」が存在しているのはどこだ?

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(写真:photoman / Imasia)  
 日系大手メーカーで務める架空の人物のフィクションのストーリーとともに、中国での再成長基盤の構築を模索する多くの日本企業への実践的な処方箋を提示する本連載。第2回は課題分析の視点を取り上げる。
 第1話はこちら:日本企業は、なぜ中国で「踊り場」にあるのか
(第1話のあらすじ……日系大手メーカーA社に転じて5年目の沢木慶介(41)は、社長から突如「中国へ行き“ダンス”を止めて来い」との指示を受ける。中国事業は10数年来の成長曲線が止まり、売り上げ、シェアとも横ばい状態だった。さっそく中国へと飛んだ沢木。そこで、「張岳良」という男と出会う。彼を片腕として中国改革が始まる(記事中の図表はすべてアクセンチュア作成)。

 

「張くん、腹が減ったな……」

「沢木さん、もう少しで完成じゃないですか。もうひと頑張りしましょう。今日は杭州料理の名店を予約していますから」

今、沢木たちは上海近郊の「杭州」という街に来ている。世界遺産の西湖で有名な都市だが、観光には目もくれず、西湖を見下ろすクラシックホテルの会議室で丸2日間、合宿中である。課題の全体像を整理した上で、今後の実行計画を集中討議しようという腹である。

(写真:mrksaran / Imasia)

この1カ月、中国に根を張り、営業、財務など各分野の専門家をそろえるコンサルティング会社に依頼し、各拠点を回って業務ヒアリングとデータ調査を重ね、改めて第三者の目で課題を洗い出してもらった。もちろん、沢木や張たちも、すべての調査に同行し、自らの目と耳で課題の実相をつかもうとしてきた。

今回の調査では、ヒアリングの最後に、「3年後も会社に残りたいか?」「日本人駐在員のマネジメントスタイルについてどう思うか?」など、直接の業務とは関係ない、モチベーションやコミュニケーションに関するやや突っ込んだ質問もしてみた。

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