なぜ中国では「カネの不正」がはびこるのか

ガバナンスを強化すれば、結局儲かる

(写真 : xiangtao / PIXTA)
日系大手メーカーで務める架空の人物のフィクションのストーリーとともに、中国での再成長基盤の構築を模索する多くの日本企業への実践的な処方箋を提示する本連載。第4話は経費精算に潜む罠について検証したい。
第1話はこちら:日本企業はなぜ中国で「踊り場」にあるのか
第2話はこちら:中国で苦戦する日本企業にありがちな過ち
第3話はこちら:日本企業が中国で直面する「目詰まり」の正体

 

3カ月後、流通管理システムであるDMSを導入済みの代理商を訪問し、オーナーと業務改善状況を確認し終えた沢木は、ひとりでラーメンとギョーザという夕食の後、自宅マンションの裏通りにあるマッサージ屋(按摩店)に向かった。

リラックスするためもあるが、本当の目的は中国語の習得である。語学スクールに通う暇もなく、張さんなど社内の中国人相手だと気恥ずかしさが先に立つ。

そこで、マッサージでリラックスしつつ、その多くは出稼ぎで日本語も英語もまったく話せないケースが多いマッサージ師と、片言の中国語を施術の間中、話すのだった。

(これぞレバレッジだよな……)

ひとりほくそ笑みつつ、ついウトウトしかけていると、メールの着信音が鳴った。

経営コンサルタントの久保田からで、タイトルは、「監査結果速報」となっている。そういえば、内部では甘えが出るので、不正の噂をちらほら聞いていた経費精算の実態を厳正に調査しようと、久保田が所属するコンサルティング会社に1カ月分の監査を依頼していたのだった。

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