「IT企業に激甘」だったシリコンバレー銀行の実態 経営者に超低金利で住宅ローンも提供していた

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有力ベンチャーキャピタル、ファウンダーズ・ファンドの副社長マイク・ソラナは12日、「過去数日で1つ学んだことがあるとすれば、テック業界はいずれの政党の『お気に入り』でもないということだ」とツイート。投資ファンドであり投資ネットワークでもあるコーリション・オペレーターズの投資家アシュリー・メイヤーはツイッター上で、ベンチャーキャピタリストは図らずも、政府によるシリコンバレー銀行の預金全額保護は「ベンチャーキャピタル/億万長者向けの救済措置」であるという、業界に不利なナラティブを生み出してしまったと述べている。

ツイッターとグーグルで勤務したことがある経験豊富な技術者でスタートアップのベテランでもあるジェイソン・ゴールドマンは、シリコンバレー銀行の破綻によって、「この業界が対外的に見せようとしているイメージにいくつか問題があることが明らかになった」と指摘する。

ゴールドマンによると、多くのテック業界関係者はいまだに自らを責任ある既存勢力ではなく何をしても許される新参者と捉え、厳しい目で責任を追及される側に立つことから逃げているという。

政府の介入を批判してきた過去はどこへ?

そうした状況は先日、投資家やスタートアップが大挙してシリコンバレー銀行への信用をなくしたと公言してパニックを引き起こしたことで、さらに悪化したとゴールドマンは言う。

「投資コミュニティーの中で最も声が大きな人々」の一部が「終末論を声高に展開」して、自身のほうこそ給与の支払いができずに借り入れに頼る小規模企業であったことは都合よく忘れ、シリコンバレー銀行の失敗の被害者になったかのように演じていたからだ。

「これによって、テック業界の偽善ぶり(ダブルスタンダード)を問題視する声が持ち上がることになった。とくに声が大きな人々の一部は、別の文脈では政府資金によるあらゆる救済措置に対して繰り返し公然と反対の声を上げてきたためだ」と、ゴールドマンは過去にテック業界が政府の財政支出や一部の社会保障プログラムを批判していた事実を指して言った。

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