気配りできる上司こそ要注意の「慈悲的差別」とは 心理的安全性を高めるためメンバーとの接し方
職場における心理的安全性を高めるためには、マネジャーがメンバーのことをよく理解することが大事だ。その上で、それぞれのメンバーにあったサポートをする必要がある。しかし時として、「メンバーのためを思って」の配慮が、逆効果を生むこともある。元Googleの人材開発責任者でもあるピョートル・フェリクス・グジバチ氏の最新刊『心理的安全性 最強の教科書』から、心理的安全性を高めるうえで気を付けたい「慈悲的差別」について解説する。
チームや職場の心理的安全性を高めるためには、互いに信頼し、率直に言いたいことを言い合える環境が必要です。そのためには、お互いにどんな人間であるのか、どんな価値観を大事にしているのか、相互に理解しておくことが求められます。
そのためには、マネジャーがメンバーのことを知り、理解する必要があります。本稿では、そのコツをお話しします。
メンバーの「トリセツ」を手に入れる
あのマネジャーはいつも自分のことを見てくれている。気にかけてくれている。
相手にそのように感じてもらえたら、相手も少しずつ心を開いて、自分のことを話してくれるようになるでしょう。
では、相手のことを知るために、マネジャーが聞いておきたいことは何でしょうか。
たとえば、メンバーが大切にしている価値観や判断基準、理想の働き方、将来の夢、何が好きで何が嫌いなのか、といったことです。つまり、価値観レベルで相手のことを知ることによって、メンバーがその人らしく、自分の力を最大限に発揮して働けるための「トリセツ」を手に入れたいのです。
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