シンガポールが「投資移民」のハードル上げた狙い 最低投資額が4倍に、自国民の雇用創出を重視

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シンガポールでは近年、中国の富裕層の移民が増加している(写真はイメージ)

シンガポールの経済開発庁(EDB)は3月2日、海外からの投資移民の認定条件を引き上げると発表した。シンガポール政府が2004年に制定した「グローバル投資プログラム(GIP)」を改定し、3月15日から施行する。

GIPの目的は、(シンガポールへの移住を希望する)海外の企業家や投資家を呼び込み、彼らの直接投資を通じて(シンガポール人の)就業機会を増やすことにある。今回の改定の狙いについてEDBは、シンガポールのスタートアップ企業や金融業の発展をサポートし、シンガポール人のために質の高い就業機会をより多く創出するためと説明している。

「2011年から2020年までの間に、GIPの枠組みを通じてシンガポールに移住した投資家から総額54億シンガポールドル(約5400億円)を超える直接投資がもたらされた。また、2020年から2022年までの間に、GIPを通じて約200人の投資家がシンガポールの永住権を取得した」

シンガポールのロー・イェンリン国務相(貿易産業担当)は2月23日、GIPの実績について国会答弁のなかでそう述べた。

5年後に30人以上の雇用必須

GIPを通じたシンガポールへの投資移民には、投資規模に応じた3つのプログラムが用意されている。それらの条件を満たすことで永住権を取得できるが、5年おきに審査を受けて再入国許可証を更新しなければならない。

今回のGIPの改定では、必要な投資規模と雇用創出数、とりわけシンガポール人の雇用創出の条件が引き上げられた。

3つのプログラムのなかで投資規模のハードルが最も低いものでも、(投資移民の)申請者はシンガポールでの新規事業または既存事業に最低1000万シンガポールドル(約10億円)を投じなければならなくなった。これは改定前の250万シンガポールドル(約2億5000万円)の4倍だ。

さらに新規定は、永住権の取得者が5年後に最初の更新を申請する際、その時点で最低30人を雇用していることを求めている。

本記事は「財新」の提供記事です

しかも、その半数以上がシンガポール人である必要があり、10人以上が(永住権の取得後に)新規雇用した社員でなければならない。改定前の規定では、初回更新時の条件は新規雇用者が10人以上、そのうちシンガポール人が5人以上だった。

(財新 駐シンガポール記者:楊敏)
※原文の配信は3月3日

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