和田秀樹「50歳以降こそSNSをすべき」と言うワケ 覚えられない人は「アウトプット」が足りない

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少し前までは、ふつうの人がアウトプットしようと思ったら、新聞や雑誌の投書欄に投稿するか、それこそいやがる部下を引き連れて、あるいは、なじみの店のマスターや常連客に、「うんちくオヤジ」をやるぐらいしか機会がなかった。

たまに、何かに寄稿するよう頼まれたり、講演やスピーチ、勉強会の講師、あるいは、何かの審議会や勉強会で、委員やパネリストを依頼されたりすることもあるかもしれないが、その機会は数えるほどだ。本を出したり、雑誌に連載を持ったり、講演料である程度の収入が得られたりするのは、それなりの仕事についている人だけだった。

そう思えば、これまでは、なかなかアウトプットを勉強の目的とはしにくかったことは理解できないでもない。

しかし、いまは、ネット上で、誰でも発信できる時代である。ツイッターやフェイスブック、ブログや個人サイトで記事を書いたり、ユーチューブでの動画配信を行ったり、NewsPicksのようなニュースキュレーションサイトに意見を投稿することもできる。

noteのように、自分が書いたものに簡単に課金できるサービスもある。まったくの無名の会社員が、ネットのブログからベストセラー作家になり、独立していくことはもはや珍しいことではない。

したがって、アウトプットしようと思ったら、まずは、これらのネット上で、きちんとした発信を始めることをお勧めする。

反論があるぐらいのアウトプットをする

ところが、せっかくブログなり、フェイスブックなりを始めても、当たり障りのないことや、本人以外誰も関心を持たないようなきわめて個人的な日常些事、あるいは、ニュースサイトの記事などの単純な「シェア」を投稿するだけ、という人が少なくない。

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要するに、その人なりの意見がない。思いがけない視点がない。一部の人にしか知り得ないような専門分野の裏話などもない。だから、つまらない。だから、読まれない。

なぜか? 反論を恐れるか、もしくは、もともと意見がないか、のどちらかだろう。

先にも少し触れたが、アウトプットするからには、必ず、誰かからの反論があることを覚悟しなければならない。

多くの人は、それを恐れるわけだが、そもそも、もし、ここを突っ込まれたらどうするか?という、いわば想定質問をつねに意識して、アウトプットすればいいわけだ。反論に対する反論のためのインプットもすることになるだろう。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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