今こそ危険「コロナ後→心臓病リスク急増」怖い訳 「最近、心臓病の急死の報道も多く…」理由は?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
【1】急に活動すると血圧が急上昇し「心臓の負担」に

新刊『「100年心臓」のつくり方』を脱稿する直前のことです。

私が院長を務める池谷医院の患者さんの家族や近隣の人など、1週間で8人が急性心不全を起こすということがありました。

残念ながら、そのうち7人が命を落としてしまいました。7人のうち4人が「心筋梗塞」、3人が「大動脈解離」 でした。

大動脈解離は心臓から全身に血液を流す大動脈が裂けてしまうことですが、心臓の近くで起こると非常に危険です。

「心タンポナーデ」といって、心臓を取り巻く膜と筋肉の間に血液が入り込んでしまい、これが心臓を強く圧迫し、結果的に血圧が下がって急死してしまうこともあるのです。

先日、落語家でタレントの笑福亭笑瓶さんが「急性大動脈解離」で命を落としてしまうという悲しいニュースが報道されました。突然発症し、命にかかわるケースも多い非常に危険な病気です。

過去にない寒波と「8人のある共通点」とは?

それにしてもこんな短時間にこれだけの人数が急性心不全になるとは、当院でも過去に経験がありません

考えられる原因は10年に1度という寒波です。私のクリニックのある東京西部でも非常に寒い日が続きました。

そして不思議に思ったのは、不幸な転機をとった7人全員が女性だったということです。みなさん70代でしたが、それまでは元気に生活されていたのです。

次ページ「急性心不全」全員が女性、考えられる要因は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT