新刊『「100年心臓」のつくり方』を脱稿する直前のことです。
私が院長を務める池谷医院の患者さんの家族や近隣の人など、1週間で8人が急性心不全を起こすということがありました。
残念ながら、そのうち7人が命を落としてしまいました。7人のうち4人が「心筋梗塞」、3人が「大動脈解離」 でした。
大動脈解離は心臓から全身に血液を流す大動脈が裂けてしまうことですが、心臓の近くで起こると非常に危険です。
「心タンポナーデ」といって、心臓を取り巻く膜と筋肉の間に血液が入り込んでしまい、これが心臓を強く圧迫し、結果的に血圧が下がって急死してしまうこともあるのです。
先日、落語家でタレントの笑福亭笑瓶さんが「急性大動脈解離」で命を落としてしまうという悲しいニュースが報道されました。突然発症し、命にかかわるケースも多い非常に危険な病気です。
過去にない寒波と「8人のある共通点」とは?
それにしてもこんな短時間にこれだけの人数が急性心不全になるとは、当院でも過去に経験がありません。
考えられる原因は10年に1度という寒波です。私のクリニックのある東京西部でも非常に寒い日が続きました。
そして不思議に思ったのは、不幸な転機をとった7人全員が女性だったということです。みなさん70代でしたが、それまでは元気に生活されていたのです。
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