「経験もツテもなし」で海外大学に進学する秘訣 海外大学が日本人向けにする「ひっかけの質問」

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海外の大学の入試で重要なのはエッセイです。誤解を恐れずに端的にいうと、日本の推薦入試などで課される志望理由書や小論文のようなものです。しかし、求められる内容は日本のものとは大きく異なります。なぜその大学で勉強したいのか、自分は何者で、何をしたいのか、何ができるのかが問われます。つまり、自分を主人公にして世界やストーリーを考える映画や、大学へのラブレターというほうが正確でしょう。

日本人向けにするひっかけの質問とは?

アメリカの大学が日本人向けにする面接のひっかけの質問があります。それは「あなたは大学で何をしますか」です。たいていの日本人は「この大学で○○○を勉強したい」と答えます。一見するとまちがいではないようですが、海外の大学は「あんたはだれやねん」「あんたはこの大学でどんな貢献ができんねん」ということをきいているので、「勉強したい」では落とされます。あくまで大学で勉強するのは目的ではなく手段です。

私は海外進学のためのエッセイの指導もしていますが、ほとんどの生徒は自分が神様みたいなことを書きます。つまり、「こうあるべきだ」「こうすべきだ」という「べき論」や一般論ばかりで、自分の考えがありません。

大学進学のための小論文は日本の大学であれば、ほとんどの場合、一般論を書けば合格点がもらえます。たとえば、「世界はこうなっている。けれど、それでは幸せになれない人がいる。だから、それを変えなければならない」といった組み立てです。そこには、「あなた」はいません。海外の大学では、あるいは世界では、それでは通用しません。その答えは明日から実行できるのでしょうか。そして、そのとき自分はどこで何をするのでしょうか。問われるのは、あなたは何をするのか、どのように世界に貢献するのかです。「あなた」が問われているのです。

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