「人に任せる」ことがなりたい自分になる第一歩 「次世代コンシェルジュサービス」の可能性

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ロボット工学やAI(人工知能)などテクノロジーの専門家である松岡氏が、なぜ生活に密着したサービスをスタートさせたのでしょうか?(写真:筆者提供)
グーグルXの創設や、ガレージベンチャーだったネストを成長させるなどの経験を積み、グーグル、アップル副社長などの要職を務めた後、現在はパナソニック ホールディングス傘下のYohanaCEOとして、日米で次世代コンシェルジュサービス事業を立ち上げている。3月には、初の著書となる『選択できる未来をつくる』を上梓した。
Yohanaは、スマートフォンのアプリかウェブのブラウザー経由で、家事や行事などのタスクをどんどん任せられるサービスだ。いろいろなことを調べてくれたり、選択肢をラインナップしてくれたりもする。
ロボット工学やAI(人工知能)などテクノロジーの専門家である松岡氏が、なぜ生活に密着したサービスをスタートさせたのだろうか?

コロナ禍で多くの女性が職を失った

アメリカの統計局のデータによると、2020年から2022年の間におよそ180万人の女性が労働市場から脱落しました。在宅勤務であれば子どもを見ながら仕事ができるなんていわれていますが、とんでもない誤解です。

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パンデミックの初めの頃は学校も休校し、再開してもオンライン授業が中心でしたから、子どもがいつも家にいる状態でした。

「ママ、見て」と子どもが嬉しそうにやってきたらビデオ会議をミュート(消音)にして、子どもに「あっちに行ってて」と言わなければいけない。泣き出す赤ちゃんやキャーキャー叫ぶ幼い子どもがいる親たちは、どんなに大変だったことでしょう。

「コロナでベビーシッターも頼めないし、幼稚園に預けることもできない。でも、子どもがいたら仕事ができない」という結果が、180万人の離職なのです。

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