アメリカで増える「クジラの座礁」意外な真犯人 「貨物船との衝突」を示す証拠が次々と浮上

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新型コロナウイルスのパンデミックによってオンラインショッピング、そして船舶輸送が急増する以前から、この地域の貨物港は大きく変化していた。航行船舶の高さ制限を約20メートル引き上げたベイヨン橋のかさ上げ工事が終わった2017年から、ニューヨーク近郊の港は世界最大級の船に初めて開放されるようになった。

昨年、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社が管轄する港を通過した貨物の量は過去最大となり、2019年に比べ27%も増加した。

米当局が乗り出した対策

港湾公社の広報担当者、アマンダ・クワンによると、ここ半年で、通常は南向きの航路だけで国際港へと戻って行っていた船が、空の貨物コンテナを回収するため北向きに往復し始めるようになっているという。

こうした往復航路は、サプライチェーンが大混乱する一因となった港に滞留する空きコンテナの数を減らすものではあるが、沿岸を行き来する貨物船の交通量はさらに増えることになった。

NOAAは昨年夏、10ノットの速度制限を港からさらに離れた水域でも導入。35フィート級の小型船にも適用することを提案した。クジラに回避する時間を与え、衝突事故が起こった場合でも傷が浅くなるように考え出されたルールだ。

「皆、細心の注意を払っている」。43年以上にわたり船長としてニューヨーク港に出入りする船を操縦してきたサンディフック水先案内協会会長のティモシー・フェリーが言う。

「エサがいれば、そこにはクジラがいる」

(執筆:Tracey Tully記者、Winston Choi-Schagrin記者)
(C)2023 The New York Times

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