「安心な老後」には、いくら貯金が必要なのか 新入社員の時から毎月4万貯めてもアウト?

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さて、どうやって5000万円を作れば良いのでしょうか。

再び同社のアンケートに戻ってみましょう。ちょっと気になる箇所があります。それは「定年・退職後に必要なおカネはいくら貯めるつもりですか?」という設問です。

男性は4216.8万円。女性が2928.2万円。全員で3912.4万円です。定年・退職後に必要なおカネの額に対して、1000万円ほど少なくなっています。

退職金をアテにする発想は捨てよ

これ、恐らく退職金をアテにしているんでしょうね。「定年まで勤めたら、1000万円くらい退職金が出るはず」などと期待しているとしたら、それは単なる思い込みに過ぎませんから、早くその考えを捨てることです。

終身雇用制度がなくなったこの時代、定年まで同じ会社に勤め続ける人の方が稀だし、転職を繰り返していたら、1000万円の退職金など、まず出ないでしょう。なので、もし5000万円を作るなら、退職金は外して資産運用の計画を立てる必要があります。

5000万円。気が遠くなる額ですが、だからこそ早いうちから資産運用をする必要があります。社会人になってから定年までの時間が40年で、運用利回りを年平均4%と仮定すると、定年時に5000万円を作るには、毎月4万2000円程度を積み立てていく計算になります。年平均4%という利回りは、もちろん預貯金では実現不可能ですから、投資信託などの投資商品を活用します。

社会人になると、即座に保険の勧誘が来て、ワケもわからないまま加入させられるケースがありますが、これは全くもって無意味です。保険に入るくらいなら、長期間保有できる投資信託を探して積立投資した方が、老後の資産形成という点でははるかに有意義です。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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