「リスキリングせよ、さもなくば自己責任」の未来 「ガンダム」が描いた「デジタル社会」への適応
リスキリングという言葉が気になっています。
リスキリングは単なる学び直しやリカレント教育とは異なると言われます。ポイントは「第4次産業革命に伴う技術の変化に対応した、新たなスキルを獲得すること」であり、急速に進むデジタル化に適応すべく、2020年の世界経済会議(通称ダボス会議)で提唱された概念です。
要するに、デジタル技術を基盤に置く経済体制に合わせて、労働者に変容を促しているということのようです。デジタル人材という言葉にもあるように、僕たちはより合理的に、より速いスピードで、デジタル社会への適応を求められています。
デジタル化とは身体と自然を離れる現象
基本的にデジタル化とは、ウィーンの思想家イヴァン・イリイチがカール・ポランニーの概念を借りて使用した「離床」を、さらに加速させることだと考えています。
前近代において人々は地域社会のためにモノを生産してきました。しかし、近代になると他者ニーズに応えるため、地域社会を超えて流通する商品を生産するようになります。このように人々の生活が資本主義によって包摂されることで、人々は地域社会から離床していったのです。
そして、この延長線上に僕たちは暮らしており、さらにスピードを増した形としてデジタル化があります。しかし、土地から離れれば離れるほど、人間には身体があり、世界には自然が存在するという事実が立ち上がってきました。
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