「花まる学習会」は、公教育をどう変えるのか? 大人気塾のメソッドが公立小学校に!
子どもたちがなぜやる気をなくしてしまうかというと、「隣の子と比べるから」なんですね。そうではなく、「自分の中で新記録を出したら今日は勝ち!」というルールにする。そうするとゲーム性が与えられて、すごくみんながやる気になるのです。
小学校低学年から、できない問題を振り返るな
問題をやるときも、工夫があります。「3分でやって」と指示を出した場合、1ページ全部の問題は解けないかもしれません。そのとき、残った問題までやらせようとするのがお母さんや先生の発想なのですが、それが子どものやる気を落としている原因なのです。
ひとつも残さずやらせるのではなく、「この白いところは残して、次に行こう!」と新しいページを提示してあげる。そうすると、子どもはやる気を失わずに「次へ、次へ」と進んでいけるのです。これは、われわれが現場でつかんだ重要な真実です。
できなかったところを見直す“振り返り”という作業は、5年生くらいになってようやくできることです。1~3年生くらいまでは、それをやらせると逆にやる気をなくしてしまうから、やめたほうがいい。
そういった、うちで培ってきたノウハウをモジュールにも適用しています。
――なるほど、納得です。教材も花まる学習会のものを使うのですか?
ええ、たとえば、名文を写す時間があります。名文を読み書き写す効能は、川端康成や三島由紀夫も勧めています。3年生なら3年生までに習った漢字しか使っていません。
こちらは「パターンメーカー」といって、パネルを並び替えて、お手本と同じパターンを作るものです。大人でも難しいですよ。瞬間的にぱちっと目に焼き付けなければならないから、集中しないとできません。図形が苦手な子でも、「遊び」としてやれるのが特長です。
それから「キューブキューブ」といって、2つの立体を組み合わせて、お手本と同じ形を作るものがあります。完成した子は「できたー!」と大声を出すのですが、これによって教室の空気も活性化します。
素読(そどく)もやっています。江戸時代から行われていることですが、やはり子どもたちをすごく活気づけるので。名文にはリズムがあるから、こういうものを大きな声で読むと、子どもたちはノリやすいのです。
あとは、先生が文章を読んで「はい、ここまで!」とストップし、今読んだ文章のディテールについて質問する、というような課題もやります。これは、算数の文章題を解けることにつながっていくのです。
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