ジェームズ・ボンド原作「書き換え」は必要なのか 「現代の感覚」に合わせた再編集版に懸念の声

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これらのニュースを受けて、ソーシャルメディアには多数の反応が寄せられた。そのほとんどは、「やめてくれ。本はその時代に書かれたもの。それに全員を満足させることなんてそもそも無理」「不快になるなら読まなければいいだけ」「彼らがやっているのは犯罪だ」「“現代の読者”は黙っていろ」など否定的なものだ。

「次は何? 絵画を塗り替えるのか」「シェイクスピアだって、探せばまずい表現があるかもしれない」と、これがほかの芸術作品にも波及することを危惧する声も見られる。

イギリスのコメディアン、リッキー・ジャーヴェイスは、不安そうな表情の自身の写真とともに、「(この写真は)今の僕(の様子)。僕が死んだ後、なんでもすぐに不快に感じるもろい人たちに配慮をして、僕が仕事の中で使った言葉が変えられてしまうのだろうか。『デブ』とか『ブス』とかの言葉が」とツイートした。

故人は文句を言うことができない

毒舌で知られる彼だけに、このツイートも冗談を交えたものだが、誰かの書いたものに手を入れることを真剣に疑問視する声はほかからも聞かれる。フレミングは1964年、ダールは1990年に亡くなっており、彼らが文句を言うことはできない。

にもかかわらず、ただし書きがあるとはいえ、自分の書いていない言葉が、自分の著書に入れられてしまうのだ。ソーシャルメディアには「たとえ本の所有権を持っているとしても、原作者の言葉をいじる権利はない」という意見もあった。

次ページこれからの映画化は話が別
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事