「タモリ倶楽部」終了、とてつもない寂しさの正体 なぜ「Mステ」「ブラタモリ」より先に終わるのか
2月22日、テレビ朝日が「タモリ倶楽部」の3月終了を発表しました。1982年10月のスタートから40年半の歴史に幕を下ろすということが報じられると、ネット上には悲鳴のような声が殺到。今なお、終了を惜しむ声が書き込まれ続けています。
同じタモリさんがMCを務め、同じ1982年10月スタートの「笑っていいとも!」(フジテレビ系)が9年前に終了したとき、寂しさを振り払うように「まだ『タモリ倶楽部』がある」と声をあげる人が少なくありませんでした。タモリさんがゆったりとしたスタンスでライフワークのように出演しているうえに、必ずしも視聴率獲得を求められない深夜帯であるため、「『タモリ倶楽部』だけはずっと続いていくだろう」と思っていたとしても無理はありません。
ちなみにその視聴率は現在も時間帯トップを争い、若年層もそれなりにつかめていて、しかも「徹子の部屋」と並んでテレビ朝日の顔と言われた長寿番組だけに、営業面での不安は考えづらいものがあります。テレビ朝日は放送40年の節目を超えて、「番組としての役割は十分に果たしたということで、総合的に判断した」と発表しましたが、視聴者の誰もが「それだけが理由ではない」と思っているでしょう。深夜帯であり、MCが局の功労者という限りなく聖域に近い番組だけに、まだまだ続けることもできたはずです。
なぜ「タモリ倶楽部」は終了することになったのか。私たちは終わってからどんなことに気づかされるのか。そもそも同番組が「果たしてきた役割」とは何なのか。それらを掘り下げていくと、単に「1つの番組が終わる」ことに留まらない現実が近づいていることに気づかされます。
テレビ朝日「総合的な判断」の本質
テレビ朝日の「総合的な判断」の中には、40年という節目だけでなく、タモリさんの年齢や体力・健康などの理由も含まれているでしょう。現在バラエティのMCを務めるタレントの中で、タモリさんは最高齢クラスの77歳。「徹子の部屋」の黒柳徹子さん(89歳)がいるものの、スタジオ収録でのトーク番組であり、ロケがベースの「タモリ俱楽部」や生放送の「ミュージックステーション」などとは比較対象になりづらいところがあります。
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