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「タモリ倶楽部」終了、とてつもない寂しさの正体 なぜ「Mステ」「ブラタモリ」より先に終わるのか

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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「タモリ倶楽部」は中高年だけでなく若い世代のファンもつかまえている稀有な番組の1つといえるでしょう(画像:テレビ朝日公式サイト)

人生の終わりが近づいてきたことを感じ、体力の衰えや健康の不安を考えたとき、大物たちが現在の出演番組をそのまま続けていくとは限りません。長年、トップとして番組に身を捧げ、多忙な日々を過ごしてきたからこそ、人生の終盤を考え直したときに、出演番組を減らし、別の芸能活動や家族、趣味などのプライベートを優先させようとすることは自然な決断に見えるのです。

今春、最も「続いていくだろう」と思われていたうえに、視聴率の影響を受けにくい深夜帯の「タモリ俱楽部」が終了することで、私たちは前述した長寿番組が「いつ終了してもおかしくないものである」「そのつもりで楽しんでおこう」などと強く実感させられるでしょう。

サブカルチャーの地位向上に貢献

では、テレビ朝日の言う「『タモリ俱楽部』が果たしてきた役割」とは何なのか。タモリさんに「そんなものはない」と一蹴されそうですが、サブカルチャーとその愛好者をテレビで扱うことの影響力は大きなものがありました。

有名な企画は「タモリ電車クラブ」や「空耳アワー」ですが、それ以外でも、食、町、交通、建物、道具、産業、音楽、美術、風俗などあらゆるジャンルのマイナーなところをランダムに深掘り。常にゆるいムードである一方で、サブカルチャーの楽しさと奥深さを人々に伝え続けてきました。

その間、時代が昭和から平成、令和と変わっていく中でサブカルチャーへの理解は深まり、立ち位置がジワジワとアップ。いい意味でメインカルチャーとの境界線があいまいになり、年齢性別を問わず愛好者たちが堂々と楽しめるような時代に変わりました。また、ネットの普及で情報量が増えた現在では、サブカルチャーを「タモリ俱楽部」でフィーチャーすることの価値は以前より薄れた感が否めません。

サブカルチャーのような嗜好性の高い情報は、専門サイトやYouTube、SNSなどで得ていくのが普通になり、だからこそテレビ朝日は「役割を果たした」とコメントしたところもあるのでしょう。また、女性がお尻を振るオープニングのほか、お色気系の企画も人気がありましたが、そのような“昭和の深夜番組らしさ”は、コンプライアンスの遵守や表現の自主規制が進むにつれて薄れていきました。

残り約1カ月、最後に「タモリ俱楽部」はどんな企画で私たちを楽しませてくれるのでしょうか。そしてタモリさんは、どんな言葉で40年間を締めくくるのか。ちなみに「笑っていいとも!」の最終回では、ふだん通りの「明日も見てくれるかな?」という締めの言葉に「メッセージ性が込められているのではないか」と注目を集めました。今回はどんな言葉が飛び出すのか、寂しく思うだけでなく楽しみに待ちたいところです。

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