ふかわりょうが「タモリ」を心底尊敬する理由

力は抜くけど、いい加減ではないという塩梅

ふかわりょう氏が神様と慕う、タモリ氏との意外な交遊について明かしたエピソードをお届けする(写真:時事通信)
小学校の入学式の日から40年間、ずっと世の中との隔たりと向き合ってきた「隔たリスト・ふかわりょう」が、芸歴26年目にして初めてすべてをさらけ出したエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』を出した。
どこにもなじめない、何にも染まれないふかわ氏の不器用すぎるいびつな日常についてつづられている同書から今回は、神様と慕うタモリ氏との意外な交遊について明かしたエピソードをお届けする。今年46歳になったふかわ氏は、歳を重ねるほどに、タモリ氏の絶妙な「力の抜き方」への憧れを強くしているという。

ある日かかってきた電話

「俺だよ、俺」

見知らぬ番号から着信があったので掛け直してみると、中年男性の声。そのフレーズに、ついに有名な詐欺に遭遇する日がやってきたかと警戒しました。

「俺だよ、俺、今何やってんの?」

酔っ払っているような、ふにゃっとした声。なれなれしい口調ではあるものの、いたずらや詐欺の類いではなさそうです。しかし、頭の中で結び付く顔がなく戸惑っていると、予想外の言葉が聞こえてきました。

「ほんとですか?!」
思わず、いすの上で正座になります。
「今何してるんだよ、今度飲もうよ」
どこか甘えてくるような猫なで声の主は、浮力の神様、タモリさんでした。

私がタモリさんと出会ったのは20代の頃。初めてお会いしたときは、この世に実在するのかと感動したものです。しかし、この世界に飛び込んだのは紛れもなくテレビの影響ですが、実を言うと、タモリさんに強い憧れは抱いていませんでした。むしろ、「お笑いビッグ3」のゴルフ番組では、どうしてほかの2人がボケまくっているのに、1人淡々とゴルフをするのだろう。面白みもないし、大人げない人だなと、ネガティヴな印象さえありました。

その意識が変化していったのは、私が『笑っていいとも!』に出演するようになってから。数カ月に一度のゲスト出演を経て、念願の曜日レギュラー。それは、われわれ若手芸人にとっては夢のステージ。ついに芸能人の仲間入りを果たした実感を得ました。当時の私は気に入ってもらおうと、生放送の後はタモリさんにくっついて、一緒に食事をするようにしていました。

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