日本のPOS端末には大事なものが欠けている

Visaセキュリティ責任者がリスクを警鐘

顧客情報から偽造カードを作ったり、eコマースを利用して不正使用することを犯罪者は狙っている。これに対してカードおよびPOS端末両面でのICチップ対応が進められることにより、不正使用はできなくなる。というのは、仮に情報を盗んだとしても使用自体ができないからだ。

大統領令は非常に時宜を得た形で出された。カード発行会社、加盟店双方がICチップ対応への移行を進める契機になったからだ。

先進国の中では日本が立ち後れている

――それでは日本の現状をどう見ていますか。日本では昨年12月26日付けで内閣官房、金融庁、経済産業省などの省庁が連名で「キャッシュレス化に向けた方策」を発表しました。訪日外国人向けの利便性向上、公的分野での電子決済の利用拡大と並んで、「クレジットカード等を安全に利用できる環境整備」が盛り込まれました。

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、来日する外国人旅行者がますます増加していく。そうした中で、米国と同じようなタイプの不正や情報漏えいのリスクが現実化する懸念がある。クレジットカードの磁気データを読み取って決済する仕組みのままでは、簡単に不正コピーされてしまう。日本ではこれまでにも主に、バーやディスカウントストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケット、百貨店などでの利用で不正が見つかっている。

――なぜ日本での対応を重視するのでしょうか。

東京オリンピック開催を前に、セキュリティが緩くて不正を働く犯罪者にとって日本が魅力的な場所になることがないように、世界の動向に歩調を合わせていただきたい。すでに、セキュリティに関するインフラ作りでは欧州、中南米、オーストラリアなどが先行している。米国もここへ来て大きく進展している。

先進国の中で日本だけが立ち後れているというのは奇妙な感じがする。だから、日本政府がキャッシュレス化の推進と同時にセキュリティの向上も視野に入れて取り組む方針を示したことは素晴らしい。Visaの戦略とも非常に整合性がある。

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