専門医が解説「発達障害かも」と思う人がすべき事 「悩みが当てはまる=発達障害」ではない

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「悩みが当てはまる=発達障害」と決めつけることはできない 

発達障害には自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの種類があります。

「忘れ物が多い」というのは、ADHDの特性がある人に見られる特徴の一つです。そのほかにも「落ち着きがない」「うっかりミスが多い」「時間にルーズ」などの特徴があります。そういう情報を見て、当てはまる部分が多いと、「自分は発達障害かも」と感じることがあるかもしれません。 

しかし、特徴が当てはまるからと言って発達障害と決めつけることはできません。世の中の、忘れ物をする人のすべてがADHDに該当するわけではないんです。実際に自分がADHDに該当するかどうかは、医療機関で診察を受けてみなければ、わかりません。

「障害」「診察」と言われると、「自分は病気なのだろうか」と、怖くなる人もいると思います。そんな人のために、発達障害のことを少し説明しましょう。 

発達障害は、病気や障害というよりは、「タイプ」のようなものと私は考えています。例えばADHDには「不注意」「多動性・衝動性」という2つの特性がありますが、不注意な人は世の中にけっこういますよね。不注意というのは、誰にでも少しはある特性です。

不注意があれば障害、なければ普通という話ではないんですね。誰しも不注意なところがあるけど、ADHDの人はそれが特に強い。「人とは違う病気」というよりは「人よりも特徴が強いタイプ」なんです。 

タイプに合わない生活をしていると困ってしまう場合も

例えば、「明日持ってきてほしいものを、一度しか言わないからしっかり聞いてください」と言われるような環境では、注意散漫なタイプの人にはミスが出やすくなります。

それに対して、必要な持ち物が一覧でわかりやすく貼り出されているような環境であれば、おそらくミスは減るでしょう。

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