脂のる今が旬「ブリの照り焼き」美味に作る簡単技 実は失敗が少ない料理、おいしさの分岐点は2つ

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ブリの照り焼き
脂がのる冬に食べたい「ブリの照り焼き」の作り方を伝授します
料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する連載『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。
今回は脂がのる冬に食べたい「ブリの照り焼き」の作り方を伝授します。
著者フォローをすると、樋口さんの新しい記事が公開(月2回配信予定)されたときにお知らせメールが届きます。

「養殖を使う」「加熱しすぎない」がポイント

冬はブリがおいしい季節、今日はご飯のおかずにぴったりの照り焼きをご紹介します。外食でもおいしい魚料理には意外と出会えないので、自分でつくるのが一番。

おいしさの分岐点は大きく2つあり、1つ目は「養殖」のブリを使うことです。昔、養殖のブリは臭みがあり、脂っぽい、と評価が低かったのですが、近年は産地の努力の結果、目覚ましく品質が上がりました。高価な天然物は当たり外れがありますが、養殖のブリは味や脂肪分が安定しているのがメリットで、とくに濃い目に味付けする照り焼きに向いています。

2つ目は「加熱しすぎには注意」という点。肉のタンパク質はおおむね60〜70℃の範囲で凝固しますが、魚はもっと低い温度で火が通ります。地上で生活する哺乳類や鳥類と比べると、冷たい水のなかで生活する魚類はより低い温度で生きる生き物だからです。

『マギーキッチンサイエンス』p205より一部引用

魚のタンパク質と温度の関係を『マギーキッチンサイエンス』から引用しました。表(※外部配信先では表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)にはこまごまとしたことが書かれていますが、押さえておくべきは魚のタンパク質の変化が45℃を超えたあたりからはじまる、ということ。

60℃を超すと筋繊維が収縮し、水分が押し出される肉と比べるとずっと低いので、同じように加熱すると魚は「パサパサ」になりやすいのです。

ちなみに安全性は65℃、1分以上の加熱で十分に担保できるので、表面には香ばしい焦げ目がつき、中心温度が上がりすぎない状態が理想です。「魚は低い温度で火が通る」という点だけ押さえたところで、料理に入りましょう。

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