「認知症」と「健忘症」のもの忘れ、決定的な違い 認知症予備軍「MCI」の可能性はありませんか
認知症になるかどうかの「最後の分かれ道」
昨今、日本における「認知症」への関心が急速に高まっています。厚生労働省によれば、2020年時点での高齢者(65歳以上)の認知症の人は約600万人と推計され、2025年には約700万人に達すると予想されています。これは高齢者の約5人に1人という割合です。このような時代に、認知症という病気を知らない人はいないでしょう。
では、「軽度認知障害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? おそらく、多くの人は「聞いたことがない」と答えると思います。
軽度認知障害とは、認知症になる直前、認知機能が低下しつつあるけれども、日常生活には大きな支障がない「非認知症」の段階を示す言葉です。英語では、「Mild Cognitive Impairment」と表記されるため、この頭文字をとった「MCI」と呼ばれることが日本でも多くあります。
MCIの次の段階は、当然のことながら認知症で、認知症になってからは、「軽度認知症」「中等度認知症」「重度認知症」の3段階に分けられます。MCIから軽度認知症へと移行する割合は、1年でおよそ5〜15%程度と考えられています。その一方で、MCIから回復する割合は、幅はありますが、1年でおよそ16〜41%程度と考えられています。
ここで知っておいてほしいことは、「認知症からMCIに回復することはない」という事実です。
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