「認知症」と「健忘症」のもの忘れ、決定的な違い 認知症予備軍「MCI」の可能性はありませんか

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認知症になるかどうか最後の分かれ道「軽度認知障害(MCI)」についてご存じでしょうか(写真:78create/PIXTA)
あなたは2025年、国内に1000万人以上もいると言われる、〝認知症予備軍〟の存在をご存じだろうか。正式には「軽度認知障害(MCI)」という名称で、認知機能の低下は見られるものの、日常生活にはまだ大きな支障がないことが特徴である。しかし同時に、この段階は「認知機能の回復が可能な最後の段階」でもあり、認知症になるかどうかの「最後の分かれ道」であるのだ。本稿では、『もしかして認知症?』より、「軽度認知障害(MCI)」の基礎知識について解説する。

認知症になるかどうかの「最後の分かれ道」

昨今、日本における「認知症」への関心が急速に高まっています。厚生労働省によれば、2020年時点での高齢者(65歳以上)の認知症の人は約600万人と推計され、2025年には約700万人に達すると予想されています。これは高齢者の約5人に1人という割合です。このような時代に、認知症という病気を知らない人はいないでしょう。

では、「軽度認知障害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? おそらく、多くの人は「聞いたことがない」と答えると思います。

軽度認知障害とは、認知症になる直前、認知機能が低下しつつあるけれども、日常生活には大きな支障がない「非認知症」の段階を示す言葉です。英語では、「Mild Cognitive Impairment」と表記されるため、この頭文字をとった「MCI」と呼ばれることが日本でも多くあります。

MCIの次の段階は、当然のことながら認知症で、認知症になってからは、「軽度認知症」「中等度認知症」「重度認知症」の3段階に分けられます。MCIから軽度認知症へと移行する割合は、1年でおよそ5〜15%程度と考えられています。その一方で、MCIから回復する割合は、幅はありますが、1年でおよそ16〜41%程度と考えられています。

ここで知っておいてほしいことは、「認知症からMCIに回復することはない」という事実です。

(画像:『もしかして認知症?』)
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