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幸福を哲学で突き詰めた人にこそ見えている視点 偶然でなくどうつかみ取るか、それが問題だ

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<カントは道徳的な「善(よさ)」は、例外のないものだと考えました。これを「定言命法」と呼んでいます。
たとえば、「ウソをつくな」という道徳的な命令は、たとえ「不幸」な結果になるとしても、絶対に遵守しなくてはならないのです。「ウソも方便」という言葉があるように、時には「ウソをつく」方がよい結果になる場合があるかもしれません。そんな時でも、カントは「絶対にウソをつくべきではない」というわけです。(135ページより)>

ゆえにカントの場合、「幸福か道徳か、どちらを選択すべきか」という問題に直面したとき、迷うことなく「道徳を選べ」と命じるだろう。これは、道徳のためなら、友人の幸福だけでなく、自分自身(あるいは自分の家族)の幸福でさえも犠牲にしなくてはならないということだ。

安易なご都合主義になってしまう危険性も

きわめて厳格な道徳主義(謹厳主義)であり、最近はあまり評判がよくないようだが、とはいえこの原則を放棄すれば、安易なご都合主義になってしまう危険性もある。

<たとえば、例外を認めるかどうかを考えてみましょう。
現実の生活では、時として規則に違反したり、原則通りにはいかないことがあります。自分の責任ではなく、不可抗力のために、他人との約束を守れない場合があります。そんな時、最近では、温情主義的に事情を考慮して許す場合があります。しかし、カントの立場からすると、そうした例外は認められないのです。(135ページより)>
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したがって、そのあたりをどう評価するかによって、幸福に対する考えも変わってくるということだ。

これらを確認してみただけでも、哲学の持つ多様性を実感できるのではないだろうか? すなわち、それこそが本書の魅力だ。少なくとも、過去に幾多の哲学書を咀嚼しきれず、幾度も悔しい思いをしてきた私はそう感じた。

また、それはともかく、今後も本書を手放すことはないだろうと予測してもいる。純粋に、読みものとしても楽しめるからだ。

などと書いてしまうと軽く思われるかもしれないが、それはとても重要なことではないだろうか? なぜなら、それは哲学への「入り口」がここにあるということを意味するのだから。

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