「偏差値30台」から医師を目指した意外なきっかけ アジアで医療活動する吉岡秀人医師の「原点」
今になってみれば、なんて言うか、うーん、何でもなかった、普通に生きてたっていうか、勉強もせずダラダラ生きてた一人の人間が、なんかこうカチッとはまり込んだような体験を得て、ここまでたどり着いたという形だと思いますね。
皆さんもきっと、そういう体験を持つことはできるんだろうと思います。それは何か、僕にはわからないですが。皆さんの人生、それぞれだから。
心の声、感性の声を聴く
僕がよくみんなに言うのはね、僕がそう感じたような心の声、感性の声と言っているんですけど、それを聴いたほうがいいよって。今日話すストーリーの中でも、この受験の話だけじゃなくて、僕が感性の声を聴いたような体験は、出てくるとは思うんですけど。
感性の声ってどんな声かと言うと、僕はこういうふうに思ってるんですね。理性の声ってあるじゃないですか。理性の声は、すごく単純化して、乱暴に言うと左脳の声。で、感性の声っていうのが、僕は全脳の声だと思ってる。
それは、僕が生まれた時からずっと、いろんな体験とか知識とかを得て、それを自分の中に積み上げたすべての情報を僕の脳が処理して、そして一瞬に出した答えだと思ってるんです。
だから理性的な声じゃないんですけど、その声に従ってきたっていうのが、僕の人生だったと思っています。そして、これは僕の体験からしか言えませんが、理性の声にずーっと従って生きるより、感性の声に従い続けて生きてきて、僕の人生は、はるかに豊かになったと思っています。
感性の声を聴いて、そのとおりに行動する。そのとおり生きていくことが、その時、皆さんが出会う困難を解決できるかどうかはわからないです。でも、少なくとも僕はこう思ってるんです。それが今、自分に出せるベストの答えだ、というふうに。
この声を信じられるかどうかって、すごく大切だと思ってて。なぜかと言うと、この声は僕の人生の中で一番最後の声じゃないですか。要するに、今の声なんですね。そして、僕の全力で出した答えを、今、信じられなかったら、未来も信じられないだろうなと。
最後の自分が出している答えだから、それは今の答えですね。今を信じられない人に、未来なんか開くことはできないから。それを信じ続ける人間には、おそらく未来が開けていくんだろうな、というふうには思っています。
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