ペットと一緒に「空の旅」死亡リスクもあり要注意 飼い主が心がけたい安全な飛行機輸送「8カ条」

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大事なペットを安全に運んでもらうために何が必要か。取材しました(写真:mrwed54/PIXTA)

2021年8月11日、日本航空(以下、JAL)の「ペットとおでかけサービス」を利用した乗客が、悲痛なツイートを投稿して話題になっています。投稿主である乗客は、JALの判断ミスで愛犬のポポちゃん(ポメラニアン)が命を落としたのではないかと疑念を抱いています。

投稿主による経緯を整理すると、このような感じです。

身内が病気で大分に向かうことになり、羽田空港から前述したサービスを利用して飛行機に搭乗。しかし、機材故障のため機体変更となり、代替機の搭乗まで約1時間半の待機を余儀なくされた。

クレート(犬用キャリーケース)に入ったポポちゃんは、JALのカートに乗せられて代替機まで移動したが、そのまま炎天下に20分以上置かれていた。

心配になった乗客が代替機に移動する際に、クレートを開けて健康確認と給水をしたいと何度も懇願したが「規則でできない」と断られた。その時点ではポポちゃんはクレートの隙間から手を舐めてくれたが、大分空港に着いて手元にポポちゃんが届けられたときには舌をだして倒れた状態だった。
ポポちゃんを動物病院に連れていったが、熱中症での死亡が確認された。

その後のJAL側の謝罪対応に納得がいかなかった投稿主は、現在JALを相手に訴訟を起こしています。

これはあくまでもツイートされた投稿主の主張ですが、実際にこのような事故が起きていることを知ると、飼い主は「ペットを飛行機に乗せるのは果たして安全なのか」と考えることでしょう。飛行機輸送のリスクを避けるために飼い主ができることはどんなことでしょうか。

飛行機でのペットの死亡事例

JALや全日空(以下、ANA)ではペットは飼い主と同じ客室には搭乗できないので、クレートなどに入れた犬・猫・小鳥・うさぎ・ハムスターを貨物室で預かり輸送しています。前述したポポちゃんのほかにも死亡事例があり、両社ともサイトで公開しています。

JALでは2017~2021年までの過去5年間(貨物扱いとして輸送した事例も含む)に犬6匹、猫2匹、鳥1羽、ANAでは2015~2022年までの過去8年間に犬10匹、猫2匹が死亡しています。その経緯など詳細は公開していません。

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