同志社大学・太田肇教授の新モチベーション論(第1回)--月間MVP目指してモチベーションアップ

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公平感と納得感がポイント

制度のポイントの1つは、数字によって受賞者が決まるところにある。ライバル同士、相手の成績がはっきり見えるので競争の意欲が湧く。また賞を与える側の主観や裁量が入らないので、賞が取れても取れなくても公平感、納得感がある。もう1つのポイントは、毎月受賞のチャンスがあることだ。それだけモチベーションが継続的に発揮される。

とはいえ、努力したにもかかわらず結果的に受賞できなかった人も当然出てくるわけであり、それに対するフォローも必要だ。そこで同社では、月例会で専務からMVPを発表する際には事業部全体の努力についても紹介し、2位以下の人がどれだけ頑張ったかについても伝えるようにしている。

同社には「月間MVP」のほかにも、最優秀社員賞、最優秀開発賞、最優秀チーム賞、それに入社2年以内の社員を対象にした新人賞や、合理化推進賞、物流改革賞、ニューフロンティア賞など多様な表彰制度を設けている。全社員が自分の立場や職種、仕事内容に応じて、頑張れば表彰されるチャンスが与えられているわけである。会社の業績アップと表彰の持つ動機づけ効果をうまく結びつけた事例だといえよう。

おおた・はじめ
同志社大学政策学部教授。日本表彰研究所所長。神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。京都大学経済学博士。滋賀大学教授などを経て2004年より現職。著書に『「不良」社員が会社を伸ばす』『認め上手』など多数。

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