一方、中古携帯電話端末の販売台数は、2022年度の296万台が2028年度に503万台に達する見込みとなっており、割合としては新品市場の約16%の水準だが、市場全体が縮小している中で存在感を増している。
前述のとおり、最新機種に対する魅力が下がっていることに加え、NTTドコモが2022年3月に「docomo Certified(ドコモ認定リユース品)」の取り扱いを開始した。認定リユース品については、KDDIは他社に先駆けて以前から「au Certified(認定中古品)」の名称で展開していたが、ソフトバンクが「SoftBank Certified(認定中古品)」の名称で2022年1月から、提供を始めている。
今後、事業者等によって整備・認定された中古端末であるCPO(Certified Pre Owned)品の認知が高まっていくと、安心感とコストパフォーマンスを踏まえ、「中古端末でよい」と考える消費者の割合が上がり、中古携帯電話端末の需要が高まっていく。
中古端末のデメリットとしては、一般的に、「故障した際の補償が受けられない」「バッテリーの持ちが悪い」「端末の状態にバラツキがある」などが考えられる。オークションやフリマアプリで購入した場合には、端末代金の未払いがあるなどの理由でネットワーク利用制限がかけられている、いわゆる「赤ロム」のリスクもある。
その点、「docomo Certified」「au Certified」「SoftBank Certified」では、以下のような検査基準が設けられている。
・電池残量80%以上
・外装クリーニング済み
大手キャリアの認定品のデメリット
ただし、CPO端末にはデメリットもある。例えば「docomo Certified」では、「機種だけ購入(白ロム)はできない(NTTドコモの契約が必要)」といった制約がある。また、端末の価格を見ても、2019年9月に発売されたiPhone 11 64GBは、発表当時の価格が税込85,536円(NTTドコモ版)であったの対し、2023年1月時点のdocomo Certifiedでは税込56,100~60,500円(状態による)と、リサイクルショップやCtoC市場と比較すると、「安くない」という評価もある。
「キャリアが状態を保証している」という安心感によりそういったデメリットをカバーしているともいえるが、品質を担保したまま、もう少し価格が押さえられれば、CPO端末への期待はさらに高まるだろう。