サッカーワールドカップや紅白歌合戦も「テレビ放送」ではなく「ネット動画」で観戦、視聴する人が増えている。「通信と放送の融合」というよりは、「通信による放送の侵食」が進んでいるが、「コンテンツにお金を支払わない日本人」を相手にメディアと広告の未来はどうなっていくのか? 『ITナビゲーター2023年版』を上梓したコンサルタントが解説する。
クロアチア戦、ABEMA視聴者2343万人
2022年大晦日の「第73回NHK紅白歌合戦」第2部の平均世帯視聴率は、関東地区35.3%関西地区36.7%(ビデオリサーチ調べ)で、過去2番目に低い数字となったが、この「視聴率」自体の意味が薄れつつある。
「テレビ番組」からネット動画へ、テレビ(受像器)からスマートフォンやタブレット、PCでの視聴へ、リアルタイムからアーカイブへ、視聴のスタイル、習慣が大きく変わりつつあるからだ。
例えば、昨年12月6日のワールドカップ決勝トーナメント1回戦、日本対クロアチア戦の視聴者数は、テレビ放送(フジテレビ系列)が2465万人だったのに対して、ネット配信(ABEMA)は2343万人と拮抗した(テレビ視聴者数は、平均個人視聴率20.2%について、国内の4歳以上人口より算出。ネットは、試合終了時点のABEMAの延べ視聴数。双方は定義が異なるため単純比較できるものではない点に留意)。
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