「サッカーはネット観戦が当たり前」の前途多難 ABEMA視聴の2343万人も「お金は払わない」

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このように、各サービスの利用者には重複や誘因の関係があるが、以下の構図が読みとれる。

・お金を支払う意向のあるユーザーは、配信で増えているものの放送から移っているだけで、むしろ総数は減っている。
・無料ユーザーを潜在的な有料ユーザーとみなすことはできるが、支払い意向のある層はすでに取りきっており、むしろ無料サービスの充実に伴い有料化へのインセンティブ(誘因)は低減している。
・その無料サービスについても、新しいユーザーの獲得に向けては新しい取り組みが必要になってきている。

500万の「見えない壁」に直面しているのがいまのメディアコンテンツ業界の姿といえる。

ちなみに、広告モデルの放送サービスが少なく、有料多チャンネル放送が中心のアメリカにおいては、有料動画配信サービスであるNetflixの会員数はおよそ7500万である。日本の「4倍の人口」ながら「会員数は10倍以上」と、マーケットサイズの桁が違う。

通信環境が整う以前の時代からケーブルテレビによる多チャンネル放送が普及し、放送サービスでも良質のコンテンツの視聴にはもともとお金を支払う必要があったアメリカと、地上波の広告モデルにより無料でおもしろいコンテンツが観られるのが当たり前であった日本とでは、放送や配信を通じてコンテンツにお金を払う行為への壁の高さが違う。日本人はコンテンツになかなかお金を支払わない。

ネットでテレビを観る「TVer」や「Paravi」が成長

ユーザーがお金を支払わないのであれば、成長している市場であるインターネット広告からお金を取ってこられないだろうか。いま多くのメディア事業者がここに注目している。

ネットでテレビを観る「TVer」や「Paravi」には、見えない壁がちらつきつつも右肩上がりでユーザー数を伸ばしており、広告の収益も拡大している。

ユーザー自身が番組を選んで視聴するためユーザーの特定が容易で、ログイン機能によって1st Partyデータも入手できるようになり、より効果の高いターゲティング広告が可能になった。

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