携帯ショップで「スマホ販売拒否」多発のなぜ

通信契約の有無で客を差別、揺らぐ「完全分離」

大手携帯会社のショップで、非通信契約者へのスマホ販売拒否が多発している(記者撮影)

「スマホの購入には通信契約に加入していただくことが必須条件となります。スマホだけをお売りすることはできません」

携帯電話大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の販売代理店が運営する携帯ショップで、「iPhone12」などのスマートフォン端末を買おうとした客への上記のような販売拒否が多発している。

電気通信事業法に抵触しかねない

総務省は健全な競争環境をつくるため、携帯事業者が通信契約への加入を条件にスマホ端末を過度に値引くことを禁じている。いわゆる、通信契約と携帯端末販売の「完全分離」といわれるものだ。

その一環で改正電気通信事業法では、通信契約を条件とするスマホ端末の販売額の値引き上限を2万円までと定めている。

大手3社は上限いっぱいの2万円の値引きに加え、客が端末購入に分割払いを選択し一定期間内に返却等すれば残債を免除するプログラムも実施している。総務省はこれも実質的な「値引き」とみなす。

そのため、通信事業者はこのプログラムの適用を自社の通信契約者のみとすることはできない。そのような限定をすれば、通信契約を条件に2万円以上の値引きをしていることになるからだ。

つまりショップでは、通信契約者にも非通信契約者にも平等にプログラムの適用を認めスマホ端末を販売する義務があるわけだ。冒頭のような販売拒否は、改正電気通信事業法に抵触しかねない。

利用者からすれば、不当に購入の機会を奪われていることになる。では、こうした問題が起きる原因はどこにあるのか。

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