「どうする家康」松本潤と脚本家の絶妙すぎる相性 ジャニーズの「王道」を歩んできた道のり

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松本潤は、嵐のメンバーとしてもそうだが、俳優としてもジャニーズの王道を歩んできたひとりと言えるだろう。

1983年生まれの松本潤が連続ドラマで初めてレギュラー出演したのは、KinKi Kids主演の『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系、1997年放送)。まだ嵐としてCDデビューする前のジャニーズJr.の頃である。先にメジャーデビューした事務所の先輩のドラマに出演して経験を積むというかたちは、多くの若手ジャニーズが歩んできた道のりだ。

当時はジャニーズJr.黄金期ということもあり、他のJr.とともに『BOYS BE…Jr.』(日本テレビ系、1998年放送)という歌やトークを織り交ぜたドラマにも出演した。

さらに学園物でブレークしたのも、『3年B組金八先生』(TBSテレビ系、1979年放送開始)の「たのきんトリオ」などで確立された流れに沿っている。

「王子様」系と「不良」系の両方で代表作

2001年に『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で2代目の金田一一役を務めた後、松本潤は翌2002年放送の大ヒットドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)で不良のリーダー・沢田慎を演じて一躍注目を集めた。

さらに『花より男子』(TBSテレビ系、2005年放送開始)では、財閥の御曹司・道明寺司を演じてドラマのヒットの原動力となった。学園ドラマの花形である「王子様」系と「不良」系の両方の役で代表作があるのも珍しい。

『花より男子』は学園物であると同時にラブコメ、恋愛物でもある。松本潤の恋愛ドラマへの適性は、年上女性と恋愛模様を繰り広げる『きみはペット』(TBSテレビ系、2003年放送)でも大いに発揮されていた。

その流れは、フジテレビ「月9」枠で主演を務めた『夏の恋は虹色に輝く』(2010年放送)、同じく『失恋ショコラティエ』(2014年放送)などにつながっていく。「月9」では『ラッキーセブン』(2012年放送)の主演も務め、このあたりもジャニーズ俳優としての王道感がある。

ほかに『バンビ~ノ!』(日本テレビ系、2007年放送)で演じた若きシェフの成長物語も、ジャニーズアイドルとしての王道の魅力を生かしたものだった。

2010年代後半以降、30代を迎えた松本潤はさらに役柄の幅を広げてきた。マイペースで型破りな弁護士・深山大翔が当たり役となった『99.9-刑事専門弁護士-』(TBSテレビ系、2016年放送開始)は代表作のひとつだ。

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