ランキング対象企業のうち新卒採用人数が最も多かったのは、68位スズキ(新卒採用占有率88.1%、以下同)で710人。続いて89位デンソー(86.2%)の681人だった。また、平均勤続年数が長かったのは、42位めぶきフィナンシャルグループ(91.3%)で27.3年、121位シャープ(81%)が22.7年と続いた。
最後に平均年収は、7位伊藤忠商事(98.2%)の1579.8万円、67位三菱商事(88.2%)の1558.9万円などが高かった。
新卒採用占有率は低下傾向
全体の集計では、新卒・中途採用人数いずれも回答した1015社の新卒採用占有率は60.6%だった。『CSR企業白書』2020年版は62.5%(対象916社、以下同)、同2021年版は61.8%(942社)、同2022年版は62.7%(1000社)、とコロナ禍で変調の兆しはあったものの、占有率は依然として低下傾向だ。
しかしながら、『CSR企業総覧』に掲載されている大手企業の採用は依然として新卒が中心だ。業種別にみても、電気・ガス業84.9%(13社)、銀行業81.7%(33社)と新卒採用を重視している業種は複数ある(全体・業種別集計は『CSR企業白書』2023年版掲載予定)。
ただ、これらの企業が旧態依然とした雇用制度を敷いているというわけではない。とくにランキング上位には、兼業・副業制度や社内FA制度などの導入、育児支援や在宅勤務など柔軟な働き方を後押しする制度の整備に取り組む企業が多い。成長機会やワーク・ライフ・バランスの充実が期待できる。勤続年数の長さも良好な労働環境を示しているといえるだろう。
就職・転職活動では、本ランキングのように複数のデータを組み合わせて企業研究を行うことが重要だ。多様な視点から企業を分析することで、キャリアにおいて自分が重視するポイントも明確になる。
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