多難のトルコ、「地域の希望の星」ではない 単独で無数の困難に立ち向かうことは無理

✎ 1〜 ✎ 97 ✎ 98 ✎ 99 ✎ 最新
拡大
縮小
(写真:fpd2010 / Imasia)

2015年、トルコは10回目を迎えるG20首脳会合の開催国となる。数奇な巡り合わせで、トルコ自身の不安定さが拡大する中で、世界の舞台で際立つ機会がやってくる。

現在トルコ周辺では2つの地政学的秩序が破綻している。ロシアとの冷戦後の協調、および1916年のサイクス・ピコ協定と19年のベルサイユ条約で定められた中東地域の国境だ。EU(欧州連合)とトルコがお互いをこれほど必要としたことはかつてないが、これほど距離を置くようになったこともほとんどない。

トルコは「地域の希望の星」ではない

トルコはもはや、エルドアン首相の12年におよぶ政権の前半のような「地域の希望の星」ではない。今日、トルコは無数の課題に直面している。

独裁政治の進展、見栄えのしない経済成長、よろめくクルド和平プロセス。国境が900キロメートルにわたってシリアに接しているため、200万人近いシリア難民を受け入れており、「イスラム国」からの攻撃や侵入に対して脆弱だ。イランおよびイスラエルの双方との緊張は深く定着してしまい、報復主義のロシアへのエネルギー依存がますます高まってきている。

トルコ単独でこれらの困難に立ち向かうことはできない。EU向けがトルコの貿易のほぼ40%、外国直接投資の70%、そして旅行産業の50%以上を占めている。同時に、南側の周辺諸国との経済的結び付きは2011年のアラブの春以降徐々に弱まっている。

トルコの世論でもEUへの支持率は09年の34%から昨年の53%へと上昇した。昨年秋にボズクルEU担当相によって発表されたトルコの“EU戦略”は、この事実を暗に認めたものと受け取れる。

次ページEUとトルコの関係は・・・
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT