バリアフリートイレ問題、7割が「待たされた経験」 一般トイレに機能を分散「誰もが使える場所」に

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バリアフリートイレ調査
多機能トイレが使用のため待たされた経験(出典:共生社会におけるトイレの環境整備に関する調査研究報告書 令和3年3月 国土交通省総合政策局安心生活政策課)

日本のバリアフリートイレは機能集中型トイレとして改善を積み重ねてきた結果、利用が集中してしまい、混雑という課題を生み出してしまいました。

機能分散へシフトするトイレ

そこで、国土交通省は平成23年度の「多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究」以降、新たな解決策として機能分散の普及・啓発に取り組んできました。

機能分散とは、これまでバリアフリートイレに集中していた機能を、一般のトイレ室も含めトイレ空間全体に分散配置することで、利用集中を解消する取り組みです。

広めのトイレの確保法
一般トイレ内に広めトイレを確保する2つの方法(出典:多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究報告書 平成24年3月 国土交通省総合政策局安心生活政策課)

例えば、おむつ替え台はバリアフリートイレとは別に設置する、オストメイト用設備を一般のトイレ室に設けるなどが考えられます。

オストメイトの方は外見からは障害があることがわからないため、車いす使用者が使うバリアフリートイレを利用する際に不安を感じてしまうという状況を回避するうえでも一般トイレに設けることは効果的です。また、一般のトイレ室を少し広めにすることでアクティブな動作が可能な車いす使用者はアクセスすることができます。

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