私が働いている間、途中で部長が変わったのですが、その新しい部長は私の業務を何も把握しようとしませんでした。
外資系企業では通常、新しい上司がやってくると、その上司は部署の人間の経歴と履歴書に全て目を通し、さらには個別に面談を行います。
今まで果たした役割と実績、仕事への取り組みなど、そして今までの上司からどんな目標設定を与えられていたかを確認し、これによって新しい上司は、自分の上司から与えられている目標を達成するための、すり合わせを行います。
ですが、私が転職した先の日系金融機関ではこの段取りがありませんでした。
上司の「きょとん顔」に驚愕
いつまでたっても面談がされないので、私が「私の業務についての面談は必要ですか?」と新しい上司に聞いてみると、彼はきょとんとして、
「へ? 必要ないでしょう」
と言いました。
私は衝撃を受けました。
私の経歴や業務内容も知らないのに仕事をさせるなんて、これでは右投手か左投手もしらないのに、マウンドに立たせるようなものです。
ですが、そこで気がつきました。
日系企業では、上司が部下の業務を把握しなくても誰かがやらなかったら、他の人がカバーするようになっており、そして、何か失敗したとしたら、責任を取るのは上司ではなくて、業務を行った本人が腹を切る羽目になるのだと。
なんという腹切り文化でしょうか。これではみんな、責任がある仕事はなんとなく避けるようになるのではないでしょうか。
部下の業務の把握も行わない上司を見て私は、
「このおっさんのために腹を切れるか」
と考えた末、
うん!無理だな☆
と思い、そっと履歴書をヘッドハンターに送ったのでした……。
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