人前で「緊張する人」「しない人」分ける明快要因 失敗を恐れず攻めの発想に切り替えるのが重要だ

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本番直前に何か気持ちを切り替えるスイッチを設定することで、冷静さを取り戻して堂々とした振る舞いをすることができるのです。

苦手な相手と向き合うときの目線と表情の作り方

厳しい結果を報告しなければならないときや、苦手な相手に説明しなければならないときは、どうしても、うつむきがちになってしまいます。うつむきがちになると、自信なさげに見えてしまって、よい印象を与えません。

私は昔から人と話すのが得意ではありませんでした。相手と目を合わせられずに、つい伏し目がちになってしまっています。かといって、真正面から相手と目線を合わせて話すのも、どうにも落ち着きません。

そういうときは目線を相手の喉元あたりに置くことをお勧めします。ネクタイをしている相手なら、ネクタイの結び目を見つめながら話すのです。こうすれば真正面から向き合いながらも、目線を合わせずに済みます。

目線以外で困るのは表情です。若い頃、私は不愉快なことがあると、すぐに顔に出てしまっていました。しかし、これでは交渉ごとはうまくいきませんし、人間関係も築きにくくなってしまいます。感情は表に出さないほうがよいのです。

では感情を表に出さないためには、どのような表情を心がければいいのでしょうか。ノーベル文学賞の候補にもなった作家・安部公房の小説『壁』のなかに、こんな一節があります。

微笑こそ、完全に非感情的なものを意味する。人は微笑を通してその向こうにある表情を読むことはできない。(中略)微笑はどんな視線に対しても鉄壁の防壁になるのだ。

微笑は「楽しい」という感情を示すための表情ではありません。実は微笑こそが、最も感情を読み取られにくい表情なのです。

私は苦しいとき、不愉快なときこそ、微笑を心がけるようにしています。微笑は感情を隠せるだけではなく、なぜか苦境を乗り切れそうな気がしてくるものだからです。

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