「熟考型」のほうは、ドキュメンタリー番組の製作です。撮影した映像をどのような構成で編集し、どのようなナレーションをつけるか。長い時間をかけて考え抜きます。
周りの番組製作者を見ていると、たいていは得意分野がどちらか一方だけだったように見えました。もちろん「どちらも得意」という「スーパーマン」のようなタイプもいました。ですが、それはごく一部。私はまさに「熟考型」でした。逆に瞬発力が求められる生中継の対応などは、本当に苦手です。
たいてい、本番で必要となるのは「瞬発力」のほう。その場でじっくり考える余裕など、与えられないからです。
私には「本番に弱い人」の多くが、「瞬発力型」ではなく「熟考型」に見えます。反射的な対応が苦手で、つい本番で失敗してしまうのです。伝え下手な人にとって本番で勝負するということは、「自分の苦手な特性を頼りに勝負する」ことにほかならないのです。
「伝え下手」が「伝え上手」に変わるための3つの技術
なぜ、あなたの能力や努力、想いがうまく伝わらないのか、その原因を見てきました。「伝え下手で損をしている状態」を脱するためには、この3つの原因をすべて潰していかなくてはなりません。
まずは「頑張っていれば、いつか伝わる」という「待ちの姿勢」では、決して伝わらないことを述べてきました。つまり、自分から積極的に「攻めの姿勢」で伝えなくてはいけないということです。
しかも伝えるべきは、自分が「正論」と信じている内容ではありません。「正論」を唱えても、誰も味方になってはくれないからです。「正論」とは「異なる内容」を伝えなくてはなりません。
さらに「熟考型」は、その人の根本的な性質に起因しています。ちょっとした工夫で改善するようなものではありません。ですから「瞬発力型」に無理に近づこうとするのではなく、「熟考型」はそもそも「本番」で勝負してはならないのです。
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